【まずは閑話】
世には『なろう小説』というジャンルがあります。
いわゆる小説投稿サイト発の小説の総称で、そこからメディアミックス展開で映像化された作品も多数あったりするのは有名な話。ただね、最近の深夜アニメとか見てるとなんだかなぁ……な作品が多い(いや、昔からか?)。
実は1940年代の米国パルプ雑誌業界でも似たようなことがあったんですね。40年代のアメリカといえばスペースオペラ全盛のころ。『キャプテン・フューチャー』とか『レンズマン』とか『スターウルフ』とかが代表例に挙げられる西部劇の舞台を宇宙に置き換えたSF作品群。
この分野の大御所である故 野田昌宏氏(ガチャピンのモデルになった翻訳家/作家/TVプロデューサーの人)が、その著作の中で「皆さん、フューチャーやレンズマンみたいに面白い話がたくさんあると思ってるでしょう?でも実際は箸にも棒にもかからないものばっかりなんだなァ」なんて書いていて、人間の行動って同じなんだな、なんて考えてみたり(こいつぁ心理歴史学ってやつですかい、セルダン博士?)
このあたりに関しては「スタージョンの法則」つーのがあります。SF作家シオドア・スタージョンの言葉で「世の中の9割はガラクタである」っていうものなんですが……まぁアニメ見てて「なんだかなぁ」な気分になるのも当然ちゃー当然ですわな(ちなみにこれ、標準偏差の概念に当てはめれば数学的に証明されちゃいます)。
それはそうと、先日『指輪物語』(ロード・オブ・ザ・リングね)の原作小説をラノベのジャンルで売ろうとしているフリマサイトのページを見つけたんですが……ファンタジー小説の総本山みたいな作品にそれはどうなん?
……あ、9割の方を見つけちゃったってこと?
あだしごとはさておき。
【テンプレートは簡単に】
世にラベルプリンターというのは何種類かありますが、結構メジャーなやつというとこちらの会社の製品になるのではないでしょうか。
実はColorkrewはキングジムさんとコラボしておりまして、ラベル印刷ソフト SPC10 のラベルカタログに、Bizの登録データを使って手軽に備品のシールを量産できるテンプレートを提供しています。
①を押してwebにアクセスし、tdlファイルをダウンロード、②からテンプレートを追加するだけ。
とっても簡単なんですが……。

【せっかくだから俺はこの赤いのをえらぶぜ】
いやその、赤くはないです。
最近、Bizの営業さん複数から同じことを質問されました。しかも立て続けに。
備品ラベルにはQRコード以外に4つの情報しか載せることはできないのかと。
……いや、できますよ。独自のテンプレートを作れば登録した全データを記載した備品ラベルだって可能です。とてつもなく長いのになっちゃいますが……って極論はヤメトケ。
でもまぁ10社あれば10種類の備品ラベルがあっていいわけで、それぞれに合ったものを使うべきではあります。せっかくだから備品ラベルをゼロから作ってみましょう。
【資産管理のシールはどう作る?】
使うのはキングジム謹製ラベルデザインアプリ SPC10 とPC接続可能なテプラ SR530。スタンダードモデルで最も安価なやつ。これで充分実用性があります。「弘法、筆を選ばず」ではなく「筆、書家を選ばず」って感じで、基本性能が良いからビギナーでも有効活用できる、といったところ。
(個人的な不満点は給電かな。そろそろUSBケーブル1本で動く機種も欲しい今日このごろ)
まずはラベル印刷ソフト SPC10をインストールしましょう。URLは以下。
https://www.kingjim.co.jp/download/tepra/labeleditor.html
USB接続可能なTEPRA各種のドライバも含まれているので、これをインストールすればオールオッケー。
備品ラベルの印刷はいわゆる「流し込み印刷」という手法を取ります。当然、流し込むデータが必要。
Colorkrew Bizの管理画面に接続して登録してある備品の一覧をダウンロードしてください。

そのままのデータでは大変な数になるので、適当にデータを削って1~3個くらいにしておきましょう。このとき、先頭行の項目名は残しておきます。
保存形式はCSV(XLSXでもいいんですが、サイズを考えるとこれが便利)。
以前も書きましたが、データが数十個を超えると、一括印刷をしたときにテープがよれて印刷に失敗するラベルが発生しますのでご注意を。
SPC10を起動すると新規作成のダイアログが開きます。「流し込み(横書き)」を選択してください。

続いてデータを読み込むか新規作成するかの選択ダイアログがでます。
ここは「流し込みデータ読み込み」を選択、先ほど作成したCSVを指定します。

データの読み込み方法の選択ダイアログが出ます。
「1行目をタイトルとして使用する」にチェックを入れ、「現在のデータと置き換える」をクリック。

これでとりあえず準備完了。
【テンプレの肝は】
なろう小説の肝はテンプレストーリー。判で押したような展開がなされるのは、かつての水戸黄門のドラマを見る安心感があるわけですが、内容が厨二病なのは、ねぇ?……いや、それはどーでもいい。
SPC10は以下の状態になっていると思います。

ここで重要なTipsを2つ。たぶん今回の記事で一番重要なポイントです。
まずはテープ幅。これは12mm以上推奨です。これより狭いテープではQRコードが表示できないことがあります。
実は12mm幅もちょっと微妙で、QRコードの誤り訂正レベルを最低まで下げねばならず、古いスマホでQRの読み取りに難儀することがあるので要注意。
ただ、機器によっては貼るスペースのないもの(例えばラックマウントのサーバとかネットワークスイッチとか)もありますので、そのへんは臨機応変に対応を。
ふたつ目はテープ長。
これは固定長にしてください。設定は以下から。

なぜ自動調整はダメかといいますと、それはSPC10の「横書き文字」というテキストラベルパーツの仕様によるもの。テープ長を「自動」にしておくと、そこに表示される文字列の長さに合わせて表示幅を伸ばしてくれる。
「文字が詰まってフォントが潰れないようにする」というSPC10の仕様なんですが、備品シールの右側にQRコードを配置すると、延長されたテキストラベルがQRに重なって読み取りができなくなってしまうのです。
逆にテープを固定長にすると、テキストラベルの表示域の長さも固定長になって、長い文字列は横に圧縮して表示してくれる。
まぁ、このあたりは表示する文字の長さを考えてテープ長を決めてください(方法は次のセクションで)。印刷された文字が潰れて読めないのでは本末転倒になってしまいますので。
【軍師の采配】
テンプレートのレイアウトをしていきます。
「高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処する」のでもいいんですが、アムリッツァの愚行のようにならないためにまずは簡単にレイアウトを考えましょう。
手書きでこんな感じ。

サンプルでは5ミリ方眼紙をつかってます(正確に言うと電子ペーパーの方眼紙フォームですが)。
方眼の2×2マスに半角2文字、全角1文字が入るという感じでレイアウトを作っていきます。
テキストの行数が決まれば、テープ幅から文字の物理サイズとポイント数が算出でき、そこから全体のテープ長を求めることができる、というわけ。
(実際はテキストが詰め気味に表示されるので、テープ長は10~15%くらい縮められます)
行数はテープ幅に依存しますが、12mm幅で3~4行、18mm幅で4~5行というところでしょうか。今回は18mm幅で5行のテキストを表示できるラベルにしてみます。
【領域展開】
レイアウトが決まったらパーツを配置していきます。
テキストの位置関係を決めるため最初にQRコードを配置しましょう。
下の表計算風グリッドの行の最後にQRコードにするURLが記載されています(項目名はそのまま「QRコード」)。
まずはその項目名の列属性(初期状態では「A」と表示されています)をクリック。メニューっぽくないですが、列属性変更メニューが開いて[列属性]→[バーコード]→[QRコード]に変更します。
その後、項目名の部分をドラッグしてテンプレートにドロップ。
レイアウトにQRコードが表示されるので、右クリックしてプロパティを表示。設定タブでパラメータを修正します。変更するのは誤り訂正レベル。この値が大きいほどスキャンが成功しやすくなりますが、そのかわりに表示サイズが増えます。ま、決戦兵器を発射するには充分なタメが必要、みたいなもの。
12mm幅のテープでは7%以上にすると表示幅が狭すぎてQRコードが表示されなくなることがあります。18mm幅なら25%くらいまで行けます。
誤り訂正レベルの設定ができたら[レイアウト]→[配置]→[テープ末端]/[上下中央]で位置を修正。

テキストはそのまま表計算風グリッドのタイトル部分をドラッグしてテープのレイアウトにドロップ。そのままでは巨大過ぎるのでフォントサイズを変更します。
18mm幅のラベルに1行のみのテキストを表示した場合のポイント数は36pt。5行表示にするには1行分のフォントサイズは7.2pt、なので7ptにします(プルダウンメニューでは選択できませんが、直打ちで変更可能)。
表示位置の微調整はレイアウトを拡大表示して、マウスとカーソルキーで。ラベルのプロパティで表示の左上の座標は数値指定できるんですが、なぜかサイズは変更できない。ラベルの終端が微妙に不揃いなのは御愛嬌ってことで。

この例では部門表示が2行になってます。本来なら「保管場所」列に改行入りのテキストを設定するべきなのですが、データの取り扱いが面倒になりそうだったので、部の名称は「保管場所」列、課の名称は「備考1」列を使って分けておくという小技を使ってます。
【賢者の……】
これで出来上がりです。[ファイル]→[名前をつけて保存]でファイル名をつけて保存しておきましょう。
次回からは保存しておいたファイルを開き、Colorkrew Bizの管理画面からダウンロードした備品登録情報を[ファイル]→[データ]→[インポート]で読み込むだけでラベルを量産できます。その間、約2分。
誰かに手際を褒められたらぜひ言ってください。
「あれ?俺なんかやっちゃいました?」